【救急隊】救急救命士と救急隊員の違いを元消防士が教えます

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今回の記事は、一般救急隊員と救急救命士との違いをご紹介します。


消防士に役立つ資格を元消防士が教えます』の記事で救急救命士の資格については触れましたが、今回はもっと詳しく解説してきます。


救急車って救急救命士しか乗れないんじゃないの?
って少し疑問に思うことってありませんか?


実際、ふたを開けてみると、救急救命士が3人乗っている場合と、救急救命士と一般救急隊員と乗っている場合があります。
そこを詳しく解説していきます。


救急隊の救命士と救急隊員の違いは何?


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簡単に結論から言えば、


「救急救命士」という資格を有するか有さないか


の違いです。


かなりざっくりとした結論ですが、もう少し簡単に踏み込むと、救命士と一般救急隊員とではまず制服が違います。


そして、特定行為ができるかできないかというのがでてきます。



救命士と一般救急隊員の違い



まずは救急救命士と一般救急隊員の違いを紹介していきます。


後半に救急救命士の資格について、救急救命士ができる特定行為について詳しく紹介していきます。



救急救命士と一般救急隊員の制服


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まずはパッと見たときに1番の違いは制服ですね。


活動服って言うんですが、その制服の色が救急救命士と一般救急隊員とでは違います。


消防士の服の色が違う理由
の記事でも書いてはいるんですが、

救急救命士はねずみ色の制服、一般救急隊員は紺色、青の制服を着ます。

救命士がこちら↓

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一般救急隊員がこちら↓

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さつま町消防本部様、高崎市等広域消防本部様、画像お借りします。

http://119.satsuma-net.jp/contents.cfm?id=56

http://ted.city.takasaki.gunma.jp/shoubou/syakai/fuku/fuku.htm


ちょっとややこしいのですが、救急救命士でも紺色の制服を着ている人もいます。


その人は、まだ消防長から救急救命士として認定されていないということです。



救急救命士枠で消防を受験した人などは最初の1年間は一般救急隊員として活動してからなど各自治体消防によって方針は違います。


なので、厳密に言うと救急救命士の資格を持っているだけではねずみ色は着れないんですよね。


オレンジと同じで敷居が高い制服でもあります。


救急救命士の制服についてもう少し踏み込むと、救急救命士の制服のズボン。


これの裏側には血液汚染防止の布みたいなものがさらについています。


夏服や冬服など関係なしに分厚いんですよね。


夏とかもすごく暑いと言っていました。


紺色の活動服は夏用は薄いので涼しいです。




救急救命士と一般救急隊員は救急車に何人必要か?


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救急業務規程の第5条にこう記載してあります。


第5条 救急隊(次項の場合は除く。)は,救急自動車1台及び救急隊員3人以上をもって編成するものとする。
2 署長は,救急隊の編成に関して,救急救命士を常時乗務させなければならない。
3 署長は,原則として救急救命士を常時2人以上乗務させるよう努めるものとする。
つまり最低限救急隊は3人で構成されて救命士は2人以上。


ん?二人以上?

消防士の服の色が違う理由』の記事では、救命士は最低1人いればいいと書きました。


この救急業務規程は国が決めているものですが、一般救急隊員も救急救命士と同等の知識、技術を持ち合わせているように努めます。


なので自治体の条例で救命士は最低1人以上でとなっているわけです。


なので自治体によっては、救急救命士1名、一般救急隊員2名で運用しているところもあれば3名とも救急救命士ということもあります。



救急救命士と一般救急隊員の知識の差は?


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さきほども言いましたが、救急救命士と一般救急隊員の知識の差はありません。


というのが名目上ですが、救急救命士はどうしても国家試験を突破しないといけないため、救急救命士標準テキストという2冊の本があるのですが、その中身を全て覚えてしまいます。


一般救急隊員は消防学校の救急過程を卒業するときに救急救命士標準テキストを使います。


このときに全て通るかといったら通りません。


時間が足りないし、経費も足りません。


なので卒業して救急隊員としての資格を有しても、まだまだ勉強をしていかないんですよね。

自分も卒業してから救命士の方にたくさんのことを教えていただきました。


なので正直いって救急救命士と一般救急隊員とでは知識の差はあります。



そこを埋めていくために勉強の毎日なのは間違いありません。




救急救命士と一般救急隊員ができる処置の差は何?


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一般救急隊員ができる処置は救急救命士もできます

これも救急業務規程できまっています。


一般救急隊員ができる処置

・気道確保

・胸骨圧迫

・人口呼吸

・圧迫止血

・骨折の固定

・異物除去

・観察(体温、呼吸数、脈拍、顔貌など)

・体位管理、保温

・口腔内の吸引

・酸素投与

・聴診

・血圧測定

・心電図による観察

・鉗子・吸引器による咽頭・声門上部の異物の除去

・経鼻エアウェイを使った気道確保

・パルスオキシメーターを使った血中酸素飽和度の測定(SpO2)

・ショックパンツによる固定

・自動式心臓マッサージ器の使用

・特定在宅療法継続中の傷病者の処置の維持


以上の項目が一般救急隊員も救急救命士も共通してできる処置です。


つまり自分もこの項目の中の処置をしていました。


一般救急隊員でも口の中にはさみのようなものを入れて異物を取ったりしていいんです。



異物があるのは分かっているけど自信がないからマギール鉗子を使った処置をしなかった…そしてその傷病者がなくなってしまったとなると自分たちはブタ箱行きです。


本当なんですよ。


処置ができる資格を有するものが適応がある傷病者に対して処置を行わず死亡もしくは様態悪化させてしまった場合は責任が生じます。



それぐらい重要な仕事ですし、重要なことをしているというのは自覚を持ったほうがいいですね。



救急救命士はどんな処置ができるのか?というと


上記に加えて


・精神科領域の処置

・小児科領域の処置

・産婦人科領域の処置

・半自動式除細動器による除細動

・厚生大臣の指定する薬剤を用いた静脈路確保のための輸液

・厚生大臣の指定する器具による気道確保


といった部分までできます。



かなり広がりますね、後半で特定行為については触れていきます。



救急救命士の資格について



救急救命士になりたい!という方もいらっしゃるのではないでしょうか?


まず、救急救命士になるにはどうしたらいいかというと

・専門学校や大学に通って国家試験を突破

・各都道府県の救急業務の規定するラインをクリアして救急救命士養成所へ研修に行き国家試験を突破する


の2パターンがあります。


前者は救急救命士を持った状態から消防に入るということです。

救急の道をずっとたどることになります。


後者は、消防士として任命され、救急課程を卒業後ある一定の条件をクリアした隊員のみが養成所へ行き国家試験を突破してから救命士に認定されるというパターンです。


では、救急救命士の資格は詳しくみるとどんなことができるでしょうか。



救急救命士の特定行為について


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救命士の資格で1番の違いはこの特定行為ですね。


特定行為は何があるかというと


・気管挿管による気道確保

・ラリンゲアルチューブを用いた気道確保

・薬剤を用いた静脈路確保のための輸液


この3つがあります。



気管挿管による気道確保


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画像:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%97%E7%AE%A1%E5%86%85%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%96


この気管挿管に関しては適応が心肺停止のみです。



詳しくみると、


異物による院外心肺停止

他の気道確保で換気が著しく困難

医療機関まで長時間を有する


と詳細には分けられます。



年齢は15歳以上が対象です。


これを詳しく書くと長くなるのでまた別の記事で紹介させてもらいます。


気管挿管に関しては、かなりリスクを背負って行わないといけません。



なぜかというと気管挿管での気道確保はかなり難しいからです。



救命士でも自分を十分落ち着かせてからでないとなかなか成功しないと言われています。



気管挿管は救急救命士の資格を認定されたのちに、病院実習で手術の患者に気管挿管を行うのを30症例以上行わなければいけません。

この症例数に関しては自治体で違う可能性もあるのでご了承ください。




ラリンゲアルチューブ(LT)を用いた気道確保


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LT(食道閉鎖式エアウェイ)を用いた気道確保の適応は


心肺停止または呼吸停止状態です。

年齢に関しては制限はありません。


LTはサイズが0~5までの間で7個あります。


新生児から成人の大きな人まで気道確保ができる道具です。



気管挿管と違うところは、気道に異物があるときにはうまく換気ができず気道確保ができないことがあります。


なぜかというと、このLTは食道をふさいで気管のみに空気が行くようにするからです。


なのでその気管に食物残渣などの異物があるとうまく気道確保ができません。


器具を使った気道確保はLTを優先することが多いですね。



静脈路確保

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静脈路確保というのは点滴みたいに薬剤を流すためにもしくは輸液をするために針を刺すことです。



この静脈路確保も少し適応や場面によって変わってきますが、静脈路確保の適応は、心機能停止または呼吸停止です。



なぜ静脈路確保をするかというと、1番はアドレナリンの薬剤投与のためです。


その適応は厳密に言うともっと別れます。


これを話すと長くなるので別記事でまとめます。


またブドウ糖を投与することもできますが、ブドウ糖を投与するために救急救命士は静脈路確保を行うことができます。


年齢は8歳以上です。



救急救命士になるにはいくらかかるのか?


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すごくだいたいの数字ですが、

専門学校だと130~150万円

大学だと500万円程度かかるみたいです。



救急救命士を取れる国公立大学を調べましたが、ないみたいですね。


私立しかないみたいです。



じゃあ消防に入ってから救急救命士養成所に行けばいくらかかるの?


というと、決定的な根拠はありませんが、聞いた話で約500万円かかると聞きました。



また確かな情報が入り次第、訂正させていただきます。



ということで救急救命士になるにはいずれもお金がかなりかかるんですね。



専門学校や大学を卒業してから救急救命士になるのがいいのか


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この話題に関しては、絶対救急救命士になりたいなら専門学校や大学に通うのがいいと思います。


しかし、消火隊にも救助隊にもなってみたいというのであれば、消防に入ってからがいいですね。



ただ消防の規模によっては希望通りに救急救命士養成所に派遣させてくれないことも十分に考えれますので、そこは自分がどうなりたいのかという部分です。




救急救命士と一般救急隊員との違いのまとめ



・制服の色が違う
・できる処置の範囲が違う
・救命士は管を通したり針を刺せる
・もちろん手当も違う
・知識の差もすごい


以上ながながと話ましたが、特定行為については別記事でまとめます。


救急救命士になりたい方はぜひ、近くの消防の救命士さんに話をきいてみるといいですよ!





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